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見ているうちに、ウソがなくて柔軟性がある“バカ”に憧れてきちゃう!?『チャンネルはそのまま!』

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HTBが手がけたドラマ『チャンネルはそのまま!』をようやく全話(5話)視聴完了。

HTB開局50周年ドラマ「チャンネルはそのまま!」

自分の地域でいつ放送されるかわからなかったので、本当にNetflixありがたかったです……。

さて、この物語の主人公は、バカ枠で北海道のローカル局に入った雪丸花子(芳根京子)。しかもバカ枠なのに報道部。

デスクでお菓子をぼりぼり食べるわ、企画を立てろと言われるけれど報道部なのにバラエティ的な企画ばかりだわ、原稿の修正を自分がやらなきゃいけないのにあまりにもひどくてデスクが直してると「デスク!がんばれっ!」って空気読めないことするわ……。

要は見ていてイラッとする。

けどこの雪丸の大いにズレた行動のおかげで、いろんな人が成長していく。

前にも書いたけど同期の女子アナ・花枝(宮下かな子)のアナウンス力が覚醒。
そのときの記事がこれ。

『水曜どうでしょう』の空気を感じる!『チャンネルはそのまま』1話

地味だった気象予報士がコスプレ予報士に変身したり(花子がちゃんと予報を聞いてなかったせいでインパクト重視になった)、

営業部の同期・服部(島太星)が宣伝をからめた報道はダメだと悟ることになったり(花子が服部からの依頼を安請け合いして、服部担当のお客さんを報道部でスポットを当てようとしたら失敗したため)、

報道部の同期で、一番仕事がうまくいっていた超デキる男・山根(飯島寛騎)も、最後の最後で花子に救われたり。

ちなみに一話完結風に見せておいて、全編において山根が発端となった話が実はメイン。

それは山根が、塩害で荒れた農地を再生する事業をしている蒲原(大泉洋)に目をつけたことがはじまり。

彼に取材をして、その映像を山根が初めて担当する報道特集として放送。そうしたら、新入社員とは思えないほど、いい反響をもらう。

けれど、蒲原にある疑惑が浮上し……。

その後、山根も疑惑に注目し、あれこれ手をつくして、疑惑の証拠をつかもうとするけれど、厳しくて。そんなタイミングで、ひょんなことで蒲原と知り合っていた花子に彼は心を開こうとする。

その理由が、花子が「ウソがない人」だから。

何かと頼ってくるし、思いつきで行動するし、輪を乱す花子のことを、山根はいつもイライラしてるんだけど、この件があって花子のバカ正直な性格を認めるように……。

そして結局、山根はバカ担当(花子の暴走をうまくコントロールする)としての自分の役割を受け入れつつあるという結末。

私もドラマを見ていて、花子の自由奔放さとか無意識の無責任さとか、トンチンカンなところとか、アホ面とかブチブチ来ていて、完全に山根に共感する形で花子を見てしまっていた。

でも常人では発想しないユニークな考え方とか、彼女のやらかしがいい方向に転がることが多くて、こういう柔軟さも必要なんだな……と反省しきり。

そしてやっぱり蒲原の疑惑についての花子の対応と、それについてギャーギャー不満を言うこともなく、花子の性格をまるっと受け入れて、テレビマンとしても人間としても成長した山根の姿は胸が熱くなるものもあった。

もちろん最終回で、蒲原が世の中の理不尽さに核心をつくことを言うシーンもジーンと来たし、それに対する花子の反応も、もう……!

でも、本編を見てほしいのでここではあえて、ごちゃごちゃ言いません。

コメディドラマかな……と思いきや、意外と深みのある展開になっているので機会があればぜひ。

ちなみに、原作はこちら。