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2021年10月8日〜12月24日の金曜24:12よりテレビ東京で放送していたドラマ『スナック キズツキ』。
益田ミリの漫画が原作。主人公であるお酒を置いていないスナックのママを原田知世が演じた癒し系ドラマ。
この作品の4話(瀧井くん)のあらすじ・レビューを書いた記事です。
あらすじ
1話目の中田さん(成海璃子)の彼氏で、3話目のサトちゃん(塚地武雅)の部下である瀧井潤くん(小関裕太)。
中田さんの話は聞かず、サトちゃんには仕事のできない上司という目線を送れるほど自信にあふれているのかと思いきや、彼もまた何気ない出来事に傷ついていた。
中田さんと食事に行った翌日。
高校時代の同級生が免許を取り立てなので運転が不安だからと、運転手役も兼ねて彼女が参加するBBQへ。
その同級生が通っていたダイビングスクールの社長が主催するBBQは、セレブな人ばかりで瀧井くんは居心地の悪さを感じていた。
しかも同級生が連れてきた友人も実家はビル持ちで会社経営をしているお金持ち。ただ本人は実家の会社に勤めるつもりはなく、語学に興味があるので近いうちに留学するとのこと。
自分の場違い感に辟易していた瀧井くん。
しかし、知りもしないシャトー・マルゴーでセレブたちが騒いでいて、ついその同級生の友人の前で知ったかぶってしまった。
BBQから帰ってきて、あの場に自分がしっくりこなかったことにモヤモヤして石を蹴っていた瀧井くん。するとその石が「スナック キズツキ」の看板に当たってヒビが入ってしまった。
彼は謝るために慌ててお店に入る。
するとママのトウコ(原田知世)からそれよりも電球を取り替えるのを手伝ってほしいと言われ、コーヒーまでごちそうになる。
そして、瀧井くんのモヤモヤを察知してか、トウコが即興の朗読へ誘う。
最初は遠慮していた瀧井くんもいつの間にか乗せられて、今日のBBQのことや学生時代の自分のことを朗読に出てくる主人公に投影してストーリーを語り出し……。
レビュー
トウコさんが『ノルウェイの森』の一節を紹介しているところが印象的だった。
それは、お金持ちの利点は、お金がないって言えることという話。
瀧井くんはそれを聞いて、お金がなくて希望の大学を諦めたのに、「お金がなくて諦めた」と言ってしまうと惨めになりそうで同級生に言えなかった高校時代を思い出す。
そしてBBQでもワインの銘柄を知ったかぶりをしてしまった。
それなのに、同級生のお金持ちの友人は「知らない」と正直に言っていた。
しかもその彼女は、てっきり家業を継ぐという一択しか選ばない(選べない)のかと思いきや、留学という別の選択肢を選んでいる。
瀧井くん自身の経験から感じたお金持ちの利点は、正直にあるない、知っている知らないと言えるだけでなく、選択があるということ。
でもそれと同時に、お金持ちの利点なんかなくても自分には幸せな時間があったことを瀧井くんが思い出したところがよかった。
貧しいながらも自分を一生懸命育ててくれた母と他愛ない時を過ごしたこと。
何かと自分を気にかけてくれる年の離れた兄との時間。
そんな瀧井くんの気づきと、なんだかんだこれまでの自分を肯定できた感じがすごく清々しく感じた。
ちなみに、焼き肉といえば、外でBBQではなくてホットプレートを使って家で焼き肉という瀧井くんの感覚が好き。
しかも赤いウィンナーを焼いているところもグッときた。
作品概要
タイトル:『スナック キズツキ』
放送日:2021年10月8日〜12月24日
放送時間:24:12〜24:52
放送局:テレビ東京
出演:原田知世、浜野謙太、成海璃子、平岩紙、塚地武雅、小関裕太、徳永えり、西田尚美、堀内敬子、八嶋智人
原作:益田ミリ
監督:筧昌也、湯浅弘章
脚本:佐藤久美子、今西祐子
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kizutsuki/
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