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満島ひかりと篠原信一の組み合わせがおもしろかった「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎『屋根裏の散歩者』」

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BSで再放送していた「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎『屋根裏の散歩者』」。

シリーズ・江戸川乱歩短編集 – NHK

この満島ひかり×江戸川乱歩シリーズが大好きで。

見逃したものを再放送するごとにチェックしているんだけど、今回は、柔道家の篠原信一さんが主人公。

とはいえ、セリフはないです。

でもそれがうまくできているんだな。

小説を読んでいるかのように、國村隼さんの朗読が入り、明智小五郎として登場する満島ひかりやほかの役者さんはその都度セリフをしゃべる形。

で、篠原さんは、行動やリアクションで、退屈な日常を刺激的なものにするため、明智のエピソードを参考に犯罪に手を染めていく主人公・郷田を演じていく。

そのアクションが結構よくて。
あるときは意気揚々と女装をするし、自分の部屋に屋根裏に入れる入り口を見つけ、屋根裏に上がっては、ほかの部屋の住人を天井の穴から覗き見するシーンでは愉快な顔をするし、自分が犯した犯罪のトリックを明智が見破れないと思い込んでしたり顔をしたと思えば、その明智に結局トリックを見破られて焦った表情をするし……。

そんな郷田を翻弄する明智演じる満島ひかりの演技もおもしろい。

郷田に対して、わざわざトリックを語るのだけど、その間、ただ面と向かって語るのではなく、突然、郷田を跳び箱に見立ててぴょんと飛び越えたり、彼を壁のように使って、ストレッチをするし、しまいには、彼の肩に乗り、ロボットを操作するかのように郷田を歩かせたりするし……。

あと、最後のオチの演出。
いつかまた放送されたときに見てほしいから、具体的には言わないけれど、ブラックユーモアが込められている上に、今回の話(郷田が退屈しのぎに犯罪に手を染める)の不気味さと、郷田の性格自体の不気味さを表したような表現が映し出される映像になっているので、そこも必見。

さて、再放送などで、このシリーズをコンプリートしつつあるけど、残るは「人間椅子」のみ。
いつ再び放送してくれるのか。